感情の問題は感情で解決する
僕は最近もうずっと「組織開発」の仕事が中心になっているんだけど、コーチングの手法を知っててよかったなって場面がよくある。
コーチングでは、ちゃんと「感情」をあつかうので 組織開発のプラクティショナー(コーチ)として仕事するときも いつも
「この組織の感情の状態はどうなんだろう?」
って 注意をはらえることがよくある。
実際、ややこしいケースになるのは
「本来、感情の問題なのに、制度やルールで解決しようとする」
とか
「本来、制度やルールの問題なのに、個人の資質や能力の問題にしようとする」
みたいな、問題と解決策がちぐはぐなケースだよ
先日こういうケースがあったんだよね。
ちょっと 「あなたなら、どうする?」 と思って聞いて欲しい。
実際にあったケース
ある販売店だったんだけど、お客さん相手なので 土日が稼ぎ時、お客さんが一番おおい日なんだよね。
土日は学生アルバイト中心なんだけど、そこではパートタイマーの主婦の人も、隔週で土日出勤してください という条件でたくさん働いていたんだよね。
ところが ある主婦の人が店長にこんな話をしたんだよね。
「実は、子供の部活が全国大会にいくことになって、しばらく土日を休ませてもらえないだろうか?」という話になった。
店長さんは、その他にもいろいろと事情をきいて なるほどこれは確かにしばらくは、土日は無理だとおもうと判断して 今年一年間はOKとしましょうということになったんだよね。
で、土日やすみになったことを、その主婦が他のかたに、話ししたわけだ。
「え? 土日休みって、店長はOKしたの?」
「えぇ。店長がOKっていったからね。」
当然 他の主婦の方は不満におもう。
店長を説得できればOKなのか? 公平ではないではないか? 土日出る人には手当を出すべきではないか?…などなど。
さて、あなたは このケースどうすれば良い(良かった)と思います??
絶対にやってはいけないこと
さて、さて、どんな考えがうかびました?
僕の考えはこんな考えだよ。
まず、絶対やってはいけないのは、
「公平にするために部活とかのケースに限ってみとめます」
「土日に出勤する人には手当をだします」
みたいな 組織としての制度をいじることだよ。
これは、2つの点で問題があるよ。
まず、これは1人のレアケースのために全員に影響をもたらす制度をつくるのは、組織としてのフレキシビリティを奪うことになる(パワーが低下する)ので 避けるべきことだよ。
これが行き過ぎると官僚化するわけで、販売店レベルの組織で いちいち制度化するのではなく 店長が責任をひきうけて判断すればいい。
いわば 店長は組織のフレキシビリティやダイナミズムを引き出すのが仕事なわけで、
「どうしても、困ったことがあったら 店長に相談すれば なんとか解決策をかんがえてくれる」
と、思わせる必要がある。
そのまま これは第2の問題に直結する。つまり、店長が店長としての役割を果たせていないってことだよ。
こういう、「制度とかルールにするようなことではないが、ちょっと困った問題」を解決するために、店長さんがいるはずだよね。
ましてや、「土日に出勤する手当」なんてつくるのは 店長としての仕事の放棄かあるいは仕事ができないことの証明だよ。
この問題の解決方法とは?
この問題は、他のパートさんの「なんか、釈然としない」という感情の問題にある。
だから、やるべきことは、他のパートさんたちの感情の手当なんだよね。
そこから考えると、この休みをとる主婦の人の発言もまずい。
「店長がOKしたからOKでしょ」
みたいな、言い方だと、言葉足らずだよね。
例えば
「店長はOKしてくれたんだけど、いや 本当に申し訳ない。どうしても足りないときは自分も出勤しますよ。1年間は迷惑かけますけど、よろしくお願いします、わがままでスミマセン」
みたいな 言い方があれば もうちょっと反応は違って
「まぁ、完全に納得ではないけど…自分もこういうことあるかもしれないし…「貸し1」にしとこか」
ぐらいの感じだったかもしれない。
同時に店長も なんらかのコメントをして
「もし、あなたが 同じケースに至ったときは 私がなんとかできるようにします」
というメッセージを発信すれば それは あぁ良い職場だなぁ みたいな気をもってもらえることになるかもしれない。
「感情の問題は感情で解決する」
小さな組織っていうのは、ルールは最小限のほうがいい。
そうすることで、組織のパワーを引き出せるから。
そのためには 「感情の問題や感情で解決する」としないと ルールやら面倒な手続きが増えて 管理する仕事がふえるよ。
そうしないのが、リーダーの仕事でメンバーもそのことを理解する必要があるよね。
と、いうことで また次回!
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