アンドロイドは「感情」の夢をみるか?
僕は、最近の仕事のなかで「どうしたら、よい組織ができるのか?」というやりかたには 方程式があることがわかってきた。
「わかってきた」というと、まるで僕が発見したみたいだけど、実はほとんどの人が同じようなことを主張していて それの共通点をまとめてみて、ためしてみたら うまくいったって感じだよ。
その方程式の1番最初にくるステップが、「感情」について共有しあうこと というものなんだけど そもそもこれが、なかなかピンと来ない人が多いんだよね。
これについて ちょっと今日は話してみたい。
まず最初に、「感情」について共有しあうこと
最初のステップとして、まず最初に組織メンバーどうしの「感情」について、それぞれ共有しあう必要があるんだよね。
「感情」あるいは「気持ち」っていってもいい。
例えば、仕事が楽しくないとか、サービスをお客さんに提供するのは嫌だとか、上司と話しをしたくないとかそういうものだね。
もちろん、前向きな感情として、ウチの会社はこういうところがいい、みたいなものもあるよ。
ただ、後ろ向きなネガティブな感情っていうのは、なかなか表に出にくいので しっかり共有する必要がある。
あたりまえなんだけど、われわれは生身の人間で「感情」がある。
ビジネスの場で、「感情」についてあつかうのは、とても難しいんだよね。
この「感情」に似た言葉で、「こころ」という言葉がある。
で、ここでは、「こころ」という言葉は絶対につかってはいけない!
「こころ」という言葉の定義が、人それぞれ、あいまい過ぎるので「こころが通じ合う」とか「こころがわかりあえる」とか、間違ってもつかってはいけない。
大きなトラブルの元になるよ。
これは、本当に気をつけないといけないよ。
まず 第1ステップは、感情とくにネガティブな感情を共有する必要がある。
「感情」について話す時の2つの問題点とは?
それは、自分たちの仕事や組織についてぶっちゃけどう思っているのか?という話が安全にできる場所をつくる必要があるよ。
互いに、いわゆる「腹を割って」話すってことだね。
これは意外と難しい。
難しい理由は2つある。
1つは、「お互いに本音の感情を話すと決定的に仲が悪くなるのでは?」という懸念があること。
で、これは、その通りなんだよね(笑)
「話せー!」といってもなかなか話せないよ。
昔みたいに、飲み会で酔った勢いで…なんてことはできにくくなってるしね。
だから、メンバーが顔をつきあわせて話しをするときは、交通整理ができる司会者がいないと 意味のない本音がでない、表面だけの話しになるよ。
2つめの理由は 「本当はウチの組織ってどうなの?」って話は、話せと言っても急に話しできるものでもないってことだよ。
そもそも、普段はこういうことを、表立って話さないことがマナーというか、組織人としてのたしなみ、みたいに思われているので 急に話せといっても、話がでてこないんだよね。
実際、僕の研修なんかで、「今のあなたが感じた気持ちとか感情を話してください」っていうと、全然話せない人が多いんだよ。
簡単なようにおもうんだけど、感情じゃなくて「考え」だったり「思ったこと」や「感想」を話したりするんだよね。
つまり 組織開発で「感情について話してお互いに共有する」といっても、それがシンプルなんだけどわりと難しいってことだよ。
どうしたらいいのか?
結局、良い組織をつくろう!ってときに、つまづくのは、最初のこのステップが
「やらないといけないことはわかるけど、やることが難しい」
ってことだとおもう。
だから、やらずに済ませたり、やっても中途半端にやったりで うまくこのステップが消化できないんだとおもう。
1番いいのは、僕のような「外部の人」に頼むことだとおもうな。
これが、コスト的にも時間的にも1番いいとおもう。
次は丁寧に、個人面談やグループ面談あるいは、飲み会のような場面などで、時間をかけていくこと。
これも、面倒だし大変なんだけど、それでも見返りがとても大きいので うまくやれるなら絶対にやったほうがいい。
ただし、上司が部下をあつめて説教したり、自分がいいたいことを伝えたりするのであれば、完全に逆効果になるよ。
よい組織をつくろう!というときは、まず「感情の共有」からはじめていくってことがポイントだよ。
組織っていうのは、生身の人間の集団だからね。
アンドロイドではないってことだね。
と、いうことで また次回!
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