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「感情史とは何か」

   

目次


感情史とは何か

 

リモートワークだと、こういうところが良くて、別のところが悪くて、やっぱりリアルじゃないとイカン、とか、そういう話は、結論をだすのは早いんじゃないかと思う。

というのも、たぶんリモートワークって、コロナ後も少なからず残るだろうし、それは取りも直さず、リモートワークに適した環境がどんどん開発されるということに、他ならない。

そうすると、今感じているある種の不便は、ほとんど解消されるものもあるだろうし、一方で、一見大したことがなくて、すぐにでも改善されると思われていたものが、しぶとく問題として残ることもあるでしょう。

だから、あんまり前のめりに「これからはリモートワークだぜ!すべてそうだぜ!」という立場にしても、「いや、人と人とが会わないと本当の交流はできないに決まっとるだろ」という考えにしても、今はどっちつかずで、両方そうだねーのスタンスでいるのが正しいと思う。

過去おもえば、書籍、音楽、動画のサブスクリプションなんかも、「紙でないとダメ!ライブでないと嫌!映画館でないと偽物!」という人は今でもいるけど、現在ふつうに共存してますからね。

 

コンテンツの中身は、同じでも、それを享受する「体験」が変化する、、、つまり、中身が同じであっても、伝えられ方が違ったり、あるいは世の中が慣れたりすることで、うけとるわれわれの感じ方は、変わってくるということだよね。

 

「好きよ、愛しています」という言葉が、直接言われるのか、手紙で伝えられるのか、電話か、メールか、LINEか、、、

どれでも、発信する方の意志は同じであっても、受け取る方の環境によって、「これぐらい愛しているんだな」と思う感覚は変わってくる。しかも、メールもLINEもない時代だったら、電話で告白されると「カンタンに済ませやがって」と思うかもしれないけど、LINEが普及した昨今なら「わざわざ」電話で伝えるって、メッセージの重みが違ってくるはず。

ということは、「好きよ、愛しています」と映画のセリフがあったとしても、その映画が作られた時代背景を理解していないと、本当の意味で、その感情を理解していないことになる。

感情というものは、歴史というか、現代のわれわれから見て推測するだけではよくわからんのだろうなと思い至る。

まてよ、もしかすると今やなくなってしまった感情とか、逆にわりと最近共有されるようになった感情とかもあるのでは?

これだけ、行動経済学とかが「人は論理だけでは動かない。感情で動くのだ」と声高に言ってるのに、その感情の流れというか歴史を知らないと、どういう方向に動いていくのか、わからんではないか。

 

という長い前置きだったけど、それがこの本を手に取った理由です。

 

で、読んでみて、僕がわかったことを今から備忘録的にかいておきます。

 

「感情史」とは??

感情史というと、「感情そのものの変遷」の歴史のことなのか、「感情についての研究」の歴史のことなのか、いまひとつわからかったんだけど、どうも両方のようだね。

というのも、本文中や訳者の方のあとがきにもあるけど、「感情とは?」という定義もはっきりしていないらしい。

しかも、それをはっきりさせることも、あまり意欲的ではないようだね。

例えば、Emotion=感情として固定してしまうと、近い言葉にあたる、Affect=情動にあたる気持ちとかが抜け落ちてしまう。

感情も情動も一緒くたにしているコンテンツもあれば、厳密に、mood=気分とかFeeling=気持ちとかも区別しているケースもあるので、そういうのを広く扱うために、「感情とは何か?」という話は、まぁ、もわっと共有しましょうね、というスタンスにしているようですね。

実際、本文中によると、心理学者の人が調べたところによると、92個以上の定義があったらしい(!)

で、その心理学者の人が、できるだけすべての定義を網羅するフレーズを考えついたのらしいけど、すべての定義に配慮したおかげで、全員から不満がでたそうだ。

わはは、文化祭のクラスのだしものみたいだな。結局誰もやりたくないことになった、みたいなね。

で、この本のタイトルの「感情史とは何か」に対する答えは、まぁ僕が読み取ったのは

「感情に対する歴史です。感情の歴史を知ると、起こったこと(アメリカの3・11のこととか、ジェンダーについての関心の高まりとか)の流れが、また別の視点から理解できますね」

ということと受け取りましたよ。

 

感情心理学の4つのアプローチ

 

個人的に、この4つの分類を知ることができたのが、1番大きなことだな、と思いましたよ。

実は、こっちの本が果たした役割についての記述なんですけどね。


感情の科学 :心理学は感情をどこまで理解できたか

 

4つのアプローチとは?

 

1 「ダーウィン説」

感情についての最初の研究者はダーウィンらしい(へー)

動物的な、基本的な感情は進化の過程で残ってきたものなので、異なる文化でも同じように理解できるよ、と。

笑うときとか泣くときって、どんな人種でも(なんやったら動物でも)共通でしょう? という主張。

これは感覚的にわかりますね。なんか本書でも実験の事例があったけど、どっかで聞いたことがある実験だった。

 

2 「身体的変化説(ジェイムズ=ランゲ説)」

ウィリアム・ジェイムズという人が、「我々は、泣くから悲しさを、殴りかかるから怒りを、震えるから恐れを感じる」と表現したように、感情は身体の状態によって引き起こされるという説。

この説は、一回否定されかかって、最近また復活してきた説らしい。

有名な神経科学者アントニオ・ダマシオが、身体反応と脳の相互のフィードバックで感情が生まれるということを言い始めて、いまのところ、かなり有力というか強い説らしい。

(※ダマシオの本は、凄く面白いけど、難しいので読んだら(読めたら?)また紹介します)

 

3 「認知的理解説」

まぁ、これはよくある話、、、「認知」が先か「感情」が先かと言うやつですね。

ここは、つまらないので飛ばす。僕は関心がない。

 

4「作られた感情説(社会構築主義的なもの)」

3の「認知的理解説」は、この4の「作られた感情説」に、つながるためにあるような感じ。

これは、社会とか文化とかが、凄く影響するよ、という主張。

これも感覚的によくわかりますね。

 

この4つのアプローチで、感情についての現在地が、少しわかった気がする。

 

まとめ

 

例えば、僕の仕事なんかで、感情史がどう役に立つのか?みたいなことは、なかなか言いにくい。

言いにくい理由は2つあって、僕自身の理解が不足していること。

もう1つは、直接的に、何かの役に立たせようという考えそのものが、まぁ無理があるというか、直接接続するには、もう少し間接的な作業がいると思う。

心理学でも、行動科学でも、「実験でこれがわかりました。なので、こうしたほうがいいです」っていうのは、なかなか飛躍があったりするよね。

 

一応、この本を読んだけど「読めた」とは思っていない。

入門書という位置づけなので、別の機会に、また関連の本も読んでみます。

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