1チームの人数は何人がいいのか?
2018/09/22
目次
すこしまえに、ある方から相談をうけたんだよね。
その内容というのが
「自分の直接の部下が、15人くらいいるのだが、たくさんの人数をマネジメントする具体的な方法ってないか?」
って話しだった。
僕は
「1人で直接みれる人数というのは限度が決まっている。だから少なくとも15名を2グループに分けるべき。」
と答えたんだよ。
リーダーAさん+サブリーダーBさん → 「ABグループ8名」
リーダーXさん+サブリーダーYさん → 「XYグループ7名」
という2グループに分ける必要がありますよって話をしたんだよ。
これは、僕の経験から来るものではなくて、ちゃんと根拠がある。
なぜなら AKBもそうしているからだ…
と、いうことでは もちろんない。
それは、「マジックナンバー」という根拠にもとづく合理的な話なんだよ。
これは、ものすごく大ざっぱにいうと
人間の短期記憶というのは、「だいたい7つくらいしか覚えられない」ので 1グループのメンバーは「7人±1人」くらいにしとくと良い…っていうことだよ。
この理論というのは、企業なんかにも取り入れられている。
実際 僕のまえの会社でも
「自分を入れて8名以下のときにいかにマネージメントできるのか?」
ということが点数化されて、昇進の条件なんかになっていた。
なんで企業がこれをとりいれているのか?というと、もともと米軍の海軍だか海兵隊だかで取入れらているらしい。
つまり、アメリカの軍隊は8名が1つの単位になっているってことみたいだね。
米軍が本当に8名の部隊になっているかどうかは知らない。
けど、
「米軍がそうしているので」
という理由で8名を1チームに編成するという理論をとりいれた企業は山のようにある。
これは、間違いのない事実なんだよね。
ところが、である。
これは、1956年にアメリカの認知心理学者のジョージ・ミラーって人が提唱したらしい。
今から60年くらいまえだから、要するに大昔ってことだね。
で、これが2001年に否定されて、7つとかは覚えきれなくて、実は4つくらいが限界だったってことが、発表されたんだよ。
Miller(1956)は、人々が短期記憶で、だいたい7つのかたまりを 覚えることができるという証拠をまとめました。 しかし、それは、実際7つかどうかということよりも、かたまりに まとめられるという発見の方に価値があるものでした。 それ以後、7つというのは大雑把すぎということがわかりました。 厳密に言うともっと少ないのです。 実際、7つではなく、わずか3〜5(4±1)だったのです。 (ミズーリ大学 認知心理学者、ネルソン・コーワン)
The magical number 4 in short-term memory: A reconsideration of mental storage capacity
僕の以前いた会社は、この「7名」というのが重要な基準になっていたので、
「すんません、実は7名って無理らしい」
っていうのは、なかなか笑う展開ではある。
しかも、たぶんいくつかの企業では、未だにこの「7名程度」というのを守っているだろうから まったく合理的でないよね。
「おー 7名くらい1人で見れなくてどうする? 俺なんかが若いころはな…」
「あのー 7名って間違いで実は4名らしいっスよ? これから どうするんですか?」
「えーとー…」
ということがおこりうる。
そこで、前述の僕の発言を注視していただきたい。
正直4名がマネージメントの限界とかいわれても、現実的にその人数にそって細かくわけていくと 煩雑でしょうがない。
いや、実際5名くらいでできるところはそれでもいい。
でも、そもそも7~10名くらいを1チームとして動いてきた組織は それ用に組織がすでにできあがっている。
だから、今から組織を変えるのは、かなり大変な作業である。
なので その折衷案として
「体裁としては 7~10名くらいのチームにしておく。
ただし、サブリーダーをおいて チーム内を リーダーグループ、サブリーダーグループの2チームにわける。
そうすると、実質だいたい5名くらいになる」
とするわけだよ。
だから、サブリーダーの役割は 単純にリーダーの補佐ではなくて チーム内のさらにもうひとつ小さなチームを率いるという役割があるんだよね。
これを リーダーもサブリーダーも理解する必要がある。
そうでないと、サブリーダーがリーダーの補佐としてしまうと、仕事が、多くなりすぎてしまう。
かえってチームのアウトプットが減ってしまうということになるよ。
だから、1チームの人数は何人が適正か? という質問の答えは
「5名くらいが1番いいらしい。でも10名くらいでも方法はあるよ」
って答えになる。
ももクロが正解ってことだね。
と、いうことで また次回!
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Comment
こんにちは!
昨日の研修を受講させて頂いた赤嶺です。(すみません、、名刺交換しそびれてしまいまして…
休憩時間に『他者と本音でやりとりする時にどんな手段を..』と質問した者です^^;)
昨日はありがとうございました。
早速、自社で試してみたいと思います。
また、ブログの記事も、自社に活かせそうな話題ばかりで、ワクワクしてます(笑)今後も拝見させていただきたいと思います。よろしくお願いしますm(_ _)m
赤嶺さん、コメント&昨日の参加ありがとうございます。
ブログともども、今後ともよろしくおねがいします!
頑張って更新します(^^)