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カントをめぐる、ささやかな散歩

   

目次


「哲学の義務は、」と僕はカントを引用した。

「誤解によって生じた幻想を除去することにある。……配電盤よ貯水池の底に安らかに眠れ。」

(村上春樹 1973年のピンボールより)

 

カントについて少しまえに、何冊か本を読んだり、映像をみたりしてカントの世界を散歩していたよ

僕は哲学のガイドブックみたいなものを読むのがとても好きなんだよね。

本物の哲学書はどうしてもハードルが高いけど、ガイドや解説書を何冊か読んでると、おぼろげながら、過去の哲人が何をかんがえていたのかが見えてきてとてもおもしろい。

とくにカントの本はとても難しい。(らしい) 

みんな「純粋理性批判」や「実践理性批判」などは名前は知っているかもしれないけど、その内容はよくしらない人が多いんじゃないかな?とおもう。

 

それで、何冊かのガイド的な本を読んだんだけど それがとてもおもしろかったので 紹介してみるね。

 

 

 

まず、この本なんだけど、表紙がラノベみたいな表紙なんだけど哲学書の50冊が紹介された本でとても楽しい。 

1冊1冊のパートがとても短いので読みすすめるのがラクなんだよね(とは、いぅても結構時間はかかりました)

読んでいてよくわからないところは、実は著者のWEBサイトに飛べばさらに詳しい解説もある。

https://www.philosophyguides.org/

もちろん、興味があればどんどん検索してネットで調べればいろんな話がでてくるので、時間がいくらあっても足りなくなる。

とくに近代のデカルトやスピノザ、ライプニッツからカントへの思索の流れが、おぼろげながら理解できて、楽しかった。

ただし、僕は本当に1、2ページ読むのに(いろいろ寄り道していたにせよ)ふつうに1時間以上かかってました。

楽しい時間だけど、毎日少しずつ読まないと 本当にあっというまに時間が経ってしまうよ。

 

そして、もうひとつのテキストがこれ。

NHKの100分de名著のシリーズなんだけど、この番組は僕はとても好きでおもしろそうなテーマはちゃんとテキストを買ってみるようにしている。

オンデマンド(有料)でもみれるので、ありがたい。

難しい本を、ちゃんと映像やら朗読やらで解説してくれるので、挫折せず読み進めることができます。

ここでは、珍しく「永遠平和のために」をテキストとしてとりあげてましたね。

本当にこんな機会でもなければ、絶対こんな本読まない(読めない)なーとか思いますね(読んでないけど、笑)

「なぜ戦争がおきるのか?」という思考ではなく「どうすれば戦争がおきなくなるのか?」という問いをたてて思考していくプロセスがとても興味深くて、カントの人となりが窺い知れる思考ですね。

カントの一途さというか生真面目さみたいなものが、すごく伝わってくる感じがしましたよ。

 

 

もう一冊がこれ。これはとっても楽しい本だったよ。

よくカントのエピソードでいわれるのが、

「毎日きっかり午後同じ時間に散歩にでるので、近所の人はそれで時間がわかった」

という話なんだけど、その厳格な雰囲気のカントが実はすごく社交家であったというエピソードが たくさんあって 面白かった。

バルト海の真珠といわれたカントが生涯暮らしたケーニヒスベルクは第2次世界大戦で跡形もない。

カントはなかなか思った大学の教授職が得られず、40代にしてやっと地元ケーニヒスベルク大学教授の椅子を得ることになった。

しかし、それ以前にも大学の教授職の話はあったが、カント自身がケーニヒスベルクから出ることを拒んだ。

カントの話術は人気があり、サロンではまわりの人を巻き込んで 座の中心だった。

友人イギリス商人グリーンの影響で「時間厳守」のカントが生まれた。

40歳以前は劇場やコンサートなどにもでかけていったが、その後はグリーンとの対話ばかりになった。

純粋理性批判のテキストはすべて友人グリーンが目をとおしたあとに出版されている。

カントは生涯独身で、ほとんど(文字通り)ケーニヒスベルクからでてないとか、「時間厳守」なんかのエピソードから、ほんとうに気難しい堅物のイメージがあるんだけど どうもそうじゃないみたいだね。

友人グリーン(商人でかなりのやり手だったらしい)との対話が、基本となって著書がかかれているって話なんかとても面白い。

あんな、難しい哲学書って 実は対話しながら書かれていたんだね。

 

最初はガイド的な本から、なんとなくカントの話が気になって、それからいくつかカントの周辺の本を読んでみたけど、それだけで なんだか世の中のちょっとが見通せるきがしたよ。

たぶんそれは、ふと、あれ?そもそもこれってどうなんだろう?みたいに思うことについて とっくの昔に哲人が深く思考していて 自分とは別の思考方法のプロセスが「ふむふむ、なるほどーへーそういう考えがあるのねー」って思う瞬間がなんどもあるからだとおもう。

それがとても楽しくて、自分自身がスッキリするというか、

「もう、こういう問題って とっくの昔にいろんな人が深くかんがえていたんだな」

ってわかることはとてもありがたい気持ちになるよ。

 

 

また、何回か読み返したり、他の哲学ガイド的な本も何冊か読もうとおもっていますよ。

 

と、いうことで また次回!

 - Book 思想

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