「褒めること」のいちばんの効用とは?
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未だに、「褒めたほうがいいのでしょうか?叱ったほうがいいのでしょうか?」なんて、ずいぶんナンセンスな質問なんかが 研修なんかででてきたりするんだけど、結論からいうと 「つかいわけしないといけない」…なので どっちもうまく使える必要がある。
コーチングの本やブログなんかで、「褒めることの効用」っていうのが 結局「誰でも褒められると嬉しいでしょう?だからやる気がでるんですよ」みたいな ずいぶん短絡的な話になっているのが いつも気になってたんだよね。
「褒めること」のいちばんの効用とは?
「褒めることの効用」のいちばん大きなものは、褒められた人や、まわりの人が、「あぁ この行動は正しかったんだ」ということがわかることだよ。
おなじように、「叱ることの効用」は、「この行動は正しい行動ではない」ということを 相手やまわりの人に知らせるということだね。
だから、漫然と褒めたり、感情的に叱ったりすることは、相手に 「要するに、今後どうしたらいいんだろう?」って疑問をもたせてしまうので 具体的に褒めたり、どうすればよかったのか自分で考えられるような叱り方をしなければ意味はないよ。
木川 これは最近よく話す逸話ですが、スキー宅急便を始めた1年目に上越地域が大雪により道路が封鎖されて荷物が届けられなくなったことがありました。でもお客さまは新幹線でスキー場に着いているのに、肝心のスキー板が来ないから現場が追い込まれる。
そのときの小倉さんは、「スキーは買ってあげなさい、借りてあげなさい、荷物で必要なものがあればそこで買ってくるようにしてあげなさい」と指示された。約款上は、われわれのミスではないので補償義務はないのに、たくさんのコストを払った。これが「サービスが先、利益は後」の典型です。
もし大雪になると使えないサービスとなったら、スキー宅急便を使う人はいなくなったはずです。そうなれば、ゴルフ宅急便も生まれていない。お金、コストをかけてでも、始めた商売、サービスに対する信用力をつけていった。こうした意思決定をみても、自らの理念を行動で示すことを実践されていたことがわかります。こうしたことは理念を浸透させるプロセスとして必要です。
ヤマトホールディングスの木川社長が「褒める文化」について、インタビューをうけていたので ちょっと引用。
インタビュアーのまとめかたとしては、
「褒める文化を、大企業で根付かせるのは大変で、その点ヤマト運輸はうまくいっている」
「社長がいうには、もともと創業者のメッセージがしっかりしていたのが、褒める文化が根付いた原因だとおもう」
「表面だけ真似しても、企業風土があるから、必ずしも同じことがうまくいくとは限らない」
というまとめ方なんだけど、この「褒める文化」というのが単純に、モチベーションをあげるために機能していますよ…みたいな見方っていうのは ちょっと違うんじゃないかな?っておもうんだよね。
僕もいろんな企業に入りこんでいるけど、同じような問題があるので、同じ方法をやってみると、うまくいくところと、そうでないところとでてくる。
それは「企業風土が違うからだ」っていってしまえば、それまでなんだけど 注意深く観察していると 別のことが原因だってことがわかった。
なぜ?同じ問題が同じ方法で解決できないのか?
それは、「その問題を解決することを、組織が(あるいは経営陣や社員が)本当に望んでいるのか?」ということが 重要だってわかった。
つまり たしかに問題はおきているんだけど、潜在的に(あるいは、はっきりとあからさまに)「解決したくない」っておもっているケースだということがわかったんだよね。
ヤマトの場合は、最初はいろいろギクシャクしたんだろうけど、「褒める文化」が根付いたのは やっぱり組織がそれを欲していたからだとおもうな。
そして、「褒める文化」はいい気分になりたい人が多かったんじゃなくて、「理念」どおりの行動が、なかなか難しかったんだとおもう。
だから、「褒める文化」で理念どおりの行動が、具体的にどういうものなのか?ってことを、組織の人たちが潜在的にしりたかったんじゃないかな?とか、おもったんだよね。
…まぁ ちょっと飛躍しすぎかな?
ただ、「褒めることの効用」っていうのは、相手をいい気分にさせる…っていうだけじゃないよってことが言いたかったんのですよん。
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